スマートキャンプ AIネイティブ化の教科書【サンプル】

.▲.tent. AI-Native|社内サンプル|読了 約20分

Small Company, Big Business. を、AIで加速する実装ガイド ― 背景編+本体

この【サンプル】は二部構成です。第0部で「会社の現在地と経営課題」を、スマキャン自身の発信(公式note・プレスリリース・BOXIL調査・各部門のnote)から整理し、第1部でその課題への解として教科書を展開します。 ねらいは一つ。点在している自社の発信を、一本の線につなぐこと。 自社の発信は、意外と社内で読まれていません。社長メッセージ、各部門のnote、BOXILが世に出している調査――これらは別々に存在していますが、実は同じ物語を語っています。本書はそれを束ねます。


第0部 ウェブ検索で理解したスマートキャンプ

注記:本部は2026年6月時点で一般公開されている情報をもとに外部視点で整理したものです。社内の最新の戦略・数値とは異なる場合があります。経営課題の項は公開情報からの推察を含みます。各項末に出典を示します。

0-1. 現状のビジネス

会社の基本

スマートキャンプは2014年創業、ミッション「テクノロジーを広げ社会の生産性を飛躍させる」、ビジョン「Small Company, Big Business.(少人数のチームでも社会を動かせる)」を掲げるBtoB企業です。本社は東京(港区/G-BASE田町)、ほか北海道・大阪・福岡に拠点を持ち、正社員は約203名(2026年4月時点)。子会社にビズヒントを擁します。年度末は11月で、上期(12〜5月)・下期(6〜11月)の二期制です。

資本面では2025年11月にマネーフォワードグループから丸の内キャピタル(PEファンド)の管理ファンド傘下へ親会社が異動し、2026年3月1日に合併による事業再編を実施。法務室の発信によれば、同社はIPOを見据えてガバナンス・コンプライアンス体制の構築を進めています。

発信 経営トップが交代し、AIを中計の中心に据えた。 2026年6月30日付で、創業期からCOOを務めた阿部慎平氏が代表取締役社長に就任。就任挨拶では、AIの急速な進化を「社会の生産性が劇的に飛躍するタイミング」と捉え、中期経営計画でAIを重要テーマに据えると明言しています。この教科書は、その経営方針と完全に同じ向きを向いています。 出典:スマートキャンプ公式note「代表取締役社長就任のご挨拶」(2026/6)

事業の全体像

中核は、SaaS比較・資料請求プラットフォーム BOXIL(ボクシル)。450カテゴリ・3,000以上のSaaS/IT製品を、口コミ・導入事例とともに掲載し、検討中の法人とSaaSベンダーをマッチングします(2024年12月に大幅リニューアル)。その周辺に、相互に送客し合う事業群が広がっています。

事業 内容 役割
BOXIL SaaS比較・資料請求プラットフォーム(450カテゴリ・3,000+) 中核。検討意欲の高い法人ユーザーを集約
BOXIL EXPO オンライン展示会 リード獲得チャネルの拡張
SMARTCAMP EVENTS 等 JAPAN LEADERS SUMMIT/AI BUSINESS CONFERENCE/HR FUTURE CONFERENCE 等 ブランド・需要創出
BALES(ベイルズ) インサイドセールス代行(大手・外資中心に150社以上の支援実績) IS立ち上げ・運用の伴走支援
BALES CLOUD/Biscuet インサイドセールス向けCRM/ツール IS業務の効率化(SaaSとして提供)
BALES Enablement インサイドセールス研修・育成支援 ノウハウの移管・内製化支援
ADXL(アドシル) SaaS特化デジタルエージェンシー ベンダーのマーケ支援
BizHint(子会社) 生産性向上の専門メディア 別の顧客接点・送客

ビジネスの本質は、「検討意欲の高い法人ユーザー基盤」と「SaaSデータ・業界知見」という資産を核に、ベンダーの営業・マーケティング課題を、メディア・イベント・インサイドセールス・ツールの複数の形で解くこと。収益は主にベンダー側(リード課金・掲載/広告・出展・代行・SaaS利用料)から得ています。

声・成果 「型化」と「伴走」で成果を出すのが、スマキャンの作法。 BALESは「BALESメソッド」(理想の顧客は誰か=ターゲティング × 最適なアプローチ設計)を掲げ、トークスクリプトやQ&Aナレッジを提供しながら、代行にとどまらず内製化・定着まで伴走します。公開されている支援例では、休眠顧客の掘り起こしにシナリオ設計+架電で取り組み、商談件数が従来の2倍に。立ち上げが機能していなかったIS部門を、目的定義・スクリプト・スコアリング設計から作り直した例もあります。 ―― この「業務を型にし、ナレッジを渡し、伴走して定着させる」という作法は、第1部でAIに対してやることと、まったく同じです。 出典:BALESサービス紹介、スマートキャンプ プレスリリース「BALES導入支援例/実績」

すでに進んでいるAI活用(社内の三本の柱)

「生産性向上を売る会社」として、スマキャンは自社のAI活用でもそれを体現し始めています。本書の主な教材は、この社内の実例です。

発信 全社の土台:全社員が使える社内汎用AIチャット。 社内情報を含むさまざまなデータを安全に活用でき、社内の生産性を底上げしています。お客様向けにも BOXIL/BizHint に AI Chat 機能を実装。なお BOXIL は、テクノロジーを駆使したプロダクト改善で2年でリード数を100倍に伸ばした実績を持つ事業で、「テクノロジーで生産性を上げる」を地で行く組織文化があります。 出典:スマートキャンプ公式note「スマートキャンプの挑戦と、その先に目指すもの」(2025/2)

発信 法務室:ビジネス部門の「自律」を支援するAI群。 法務AIポータル+4つの専用Gem(NDA特化/契約書レビュー/契約データ・反社チェック照会/法務手続・コンプラ案内)+決裁権限ナビゲーター(Webアプリ)。知識ソースを「契約書雛形=Ground Truth/条文解説集=The Why/交渉プレイブック=The How」の“黄金パターン”で構成。結果、法務相談件数を1年で50%以上削減。 出典:雨宮修note「ビジネス部門の『Autonomy』を実現するAI」(2026/1)

発信 経営企画:市場調査・事業計画・会議要約に生成AIを実践。 市場規模のフェルミ推定、競合のSWOT、公的統計の収集・要約、会議音声の文字起こし→要約→ネクストアクション抽出まで。「市場動向や公的情報はAIが圧倒的に強い/機密は外に出さない/最終確認は人」という線引きを共有。Claudeを「回答への違和感が少なく、人が書いたものに近い」と評価し、考えの整理に活用。 出典:森友也note「【経営企画業務の劇的効率化】生成AIの実践に向けて」(2024/4)

0-2. 今後の取り組み ―― 中期経営計画の「AI3本柱」

新社長・阿部氏の就任挨拶で示された、中期経営計画のAI重要テーマは次の3つです。この教科書は、この3本柱を社内の足元から実現するための実装ガイドでもあります。

中計のAIテーマ 中身 教科書との関係
① AIプラットフォームへの進化 「SaaS+AI」の時代へ。BOXILでAIエージェントカテゴリーを強化、AI BUSINESS CONFERENCE開催、全事業でAI企業・サービスの支援を強化。 社内のAIネイティブ化で得た“目利き”が、プラットフォームの提供価値を磨く(第5章)。
② AIによるビジネスモデルのアップデート 購買行動の変化(AI検索の一般化)をリード。ADXL・BALESのプロフェッショナルサービスをAIで変革し、人は人ならではの価値創出に集中 「AIで生産性、人は人ならではの価値へ」=本書の“主役は人”そのもの(はじめに・終章)。
③ ユーザー企業のDX・AI活用の直接支援 SaaSの比較・選定の先へ踏み込み、企業のDX・AI活用を直接支援する。 自社で実践した型を、お客様支援に転用する(終章「育て続ける」)。

加えて、阿部氏はアライアンス・M&Aによる他社との連携にも踏み込むと表明しています。多事業・多拠点・連携の拡大が進むほど、判断の軸を言語化し共有する力=本書の原則②が効いてきます。

発信 「AIで生産性を高め、人は人ならではの価値創出に集中する」。 これは中計の言葉であり、同時に本教科書の背骨です。AIに任せるのは面倒な作業、人が握るのは判断・交渉・関係構築・責任。社の方針と本書のメッセージは、ここで一致します。 出典:スマートキャンプ公式note「代表取締役社長就任のご挨拶」(2026/6)

0-3. スマキャンが世に出している「AIと生産性」のデータ

スマキャンは、自社実践だけでなく、BOXILを通じて市場のAI活用実態を継続調査・発信しています。自社がこれらのデータの発信源であること自体が、ブランドであり、社内が範を示すべき理由でもあります。

データ 生成AIは「導入」から「成果創出」のフェーズへ。 全国9,734人の事前調査をもとに、業務で生成AIを使う1,365人を調査。公式な導入率は28.4%にとどまる一方、高度に活用する企業では月40時間超の削減を実現。投資額の差が成果の差を生む、という構図が示されました。 ―― 示唆:小さく始めて(原則③)、巨人の肩に乗りつつ(原則④)、本気で投資した組織が大きく勝つ。 出典:BOXIL「生成AIの利用実態調査」(2026/1, n=1,365)

データ 営業のAI活用、約7割が成果向上を実感。 活用業務のトップは「提案資料の作成」(40.0%)、次いで「営業メールの作成・送付」(39.4%)。導入前後で66.9%が成果向上、59.9%が質の向上を実感。使うツールは生成AIが最多、次いでAI議事録、SFA/CRM搭載AI。 ―― 示唆:AIがまず効くのは「たたき台づくり」。森さんの実践(資料・要約はAI、最終は人)と完全に符合します(第1章・第2章)。 出典:BOXIL「営業のAI活用実態調査」(2026/2, n=389)

データ 経理のAI活用でも、多くが効率向上を実感。 経理担当者への調査で、78人中59人が作業効率の向上を実感。 ―― 示唆:効果は職種を選ばない。コーポレート(経理・法務・経営企画)こそ“型のある業務”の宝庫です(第5章「適材適所」)。 出典:BOXIL「経理のAI活用」調査(2026/2)

データ 最大の壁は「データの分散」。 人的資本経営の調査では、ITツール利用率は76.4%(検討中含め93.9%)。最大の課題は「人事データが複数ツールに分散し、連携できていない」(31.8%)。 ―― 示唆:AI以前に、データとナレッジの整理が成否を分ける。これが原則②(考え方・知識を渡す)とコンテキスト整理の核心です。 出典:BOXIL「人的資本経営におけるITツール利用実態調査」(2025/11, n=634)

0-4. ビジネスモデルキャンバス(BMC)

ウェブ公開情報をもとに、スマキャンの事業構造を9ブロックで整理すると次のようになります。

KPキーパートナー
  • SaaSベンダー各社
  • 丸の内キャピタル(親会社)
  • ビズヒント(子会社)
  • AIプラットフォーマー(Google等)
  • 登壇企業・提携メディア
  • アライアンス・M&A先(中計で拡大)
KA主要活動
  • SaaSデータ・コンテンツ拡充/SEO
  • マッチング最適化(プロダクト開発)
  • インサイドセールス代行の運用
  • イベント・カンファレンス運営
  • AI機能開発・社内AI活用・AI実態調査の発信
KRキーリソース
  • 検討意欲の高いユーザー基盤
  • SaaSデータ(450カテゴリ・3,000+)
  • ISオペレーションのノウハウ(150社+)
  • SaaS業界レポート等のコンテンツ資産
  • エンジニア・IS人材・社内AI基盤
VP価値提案
  • SaaS選定の意思決定支援(比較・口コミ・1次情報)
  • 質の高い“検討中リード”の獲得
  • インサイドセールスの立ち上げ・代行・効率化
  • 生産性向上の知見提供
  • [通底]テクノロジーで生産性を飛躍させる
CR顧客との関係性
  • セルフサービス(比較サイト)
  • メディア・コミュニティ
  • イベントでの接点
  • BALESによる伴走支援
  • AI Chatによる自動応対(BOXIL/BizHint)
CHチャネル
  • BOXIL/BizHint サイト
  • BOXIL EXPO・各種カンファレンス
  • コンテンツ(業界レポート・AI調査)
  • インサイドセールス
  • デジタル広告(ADXL)
CS顧客セグメント
  • SaaS提供企業(ベンダー=主な課金者)
  • SaaSを検討する法人(情シス・各部門の意思決定者)
  • インサイドセールスを強化したい企業
C$コスト構造
  • 人件費(IS・エンジニア・コンテンツ制作)
  • マーケ・集客費
  • サイト・システム運用
  • イベント運営費
  • AIツール費
R$収益の流れ
  • ベンダーからのリード課金・掲載/広告費
  • イベント出展料
  • BALES代行・Enablementフィー
  • BALES CLOUD・Biscuet のサブスク
  • ADXL の支援フィー

この図から見える構造:スマキャンは「少人数」でこの幅広い事業群(メディア×イベント×IS代行×SaaS×エージェンシー)を回しています。つまり、一人あたりの生産性が事業モデルの生命線であり、AIによる生産性向上は「あれば良い改善」ではなく「事業構造そのものを支える前提条件」です。

0-5. 経営課題と、この教科書の位置づけ

BMC・現状・中計から、スマキャンの経営課題(公開情報からの推察)と、本教科書がどう効くかを接続します。ここが、この教科書を読む“理由”です。

経営課題 中身(自社発信との接続) 教科書での解
A. 少人数で大きな成果 Small Company, Big Business。幅広い事業を少人数で回す。BOXILの「リード100倍」文化を全業務へ。 全章。特に原則①ほどく原則④巨人の肩で一人の生産性を底上げ。
B. アクセルとブレーキの両立 IPO見据えガバナンスを固めつつ速度も落とせない。法務室が押印一元化・信用スコアで実証済み。 原則③(人が確かめる)第5章(自律×統制)
C. ナレッジの属人化・分散 多事業・多拠点・再編・M&Aで判断軸が散る。自社調査でも「データ分散」が最大の壁(31.8%)。 原則②(考え方を渡す)=黄金パターン/正解FAQ。AI活用=ナレッジマネジメント(終章)。
D. 「生産性を売る会社」の説得力 生産性・AIを売る以上、自社が最も体現していることがブランドになる。BOXIL調査の発信源は自社。 全社実践→外部発信(BOXIL調査・カンファレンス)への循環(終章「育て続ける」)。
E. AI時代の提供価値の再設計 中計の3本柱(プラットフォームのAI化/ビジネスモデルのAI更新/DX・AI直接支援)。 第5章(作る・評価する側へ)。社内の型をプロダクトと提供価値へ転用。

まとめ:この教科書は「AIの一般論」ではありません。少人数で成果(A)/速さと統制の両立(B)/知見の資産化(C)/自社で体現しブランド化(D)/提供価値の再設計(E)という、スマキャン固有の経営課題、そして中計のAI3本柱に、現場から一本ずつ効いていく実装ガイドです。

それでは、第1部へ。


第1部 スマートキャンプAIネイティブ化の教科書(本体)

Small Company, Big Business. を、AIで加速する実装ガイド


各章の進み方

どの章も同じ流れで進みます。

なぜ正しいか(原理)→ スマキャンの実例(自社の発信から) → あなたの番(今・次・得られるもの)→ だから正しい(納得)

「あなたの番」でそのまま使える型は、付録C(テンプレート集)に収めました。

この教科書の柱 ―― 4つの原則

原則 ひとことで言うと スマキャンの実例
① 仕事をほどく 入力 → 処理 → 出力に分ける BALESの工程分解、法務のレビュー工程
② 考え方を渡す プロンプトは“思考の設計図” 法務の「黄金パターン」、正解FAQ
③ 小さく始めて、人が確かめる 完璧な自動化を目指さない 押印一元化、NotebookLM→Gemini
④ 巨人の肩に乗る まず汎用ツール、自作は最後 全社AIチャット、決裁権限ナビだけ自作

この4つに通底するのは一つ――自分の仕事を、人に説明できる言葉にする(業務の言語化)。これは当社の言葉でいえばナレッジマネジメントそのものであり、BALESがお客様にやってきた「型化と伴走」を、今度はAIに対して行うことに等しいのです。

あなたのレベル(今いる場所から始める)

始める前の、たった一つの約束(安全)

機密情報・顧客データ・個人情報を、学習に使われ得る個人向けプランやツールに入れない。 練習は公開情報で。会社が用意した環境(社内汎用AIチャット、業務契約済みのGemini等)を使うのが最も安全です。詳しくは付録B。


第1章 仕事をほどく ―― 入力・処理・出力に分ける

なぜ、これが最初なのか(原理)

AIに「いい感じにやっておいて」と頼むと、たいていがっかりします。理由はAIの性能ではなく、あなた自身が、何を渡して・何をしてほしくて・何が欲しいのかを決めていないからです。

原則① 仕事は「ほどける」。まず工程に分け、その工程を入力 → 処理 → 出力に分ける。

「ほどく」には2つの向きがあります。横にほどく=工程(プロセス)に分ける。縦にほどく=ひとつの工程を「入力 → 処理 → 出力」に分ける。ある工程の出力が次の工程の入力になります。難しい技術ではありません。紙とペンでできます。

スマキャンの実例

例1:BALES ―― そもそもスマキャンは「ほどく」のプロ

実は、スマキャンの主力事業そのものが「仕事をほどく」のお手本です。BALESは営業を「ターゲティング → リスト作成 → アプローチ設計 → 架電・実行 → 分析」と工程に分け、各工程に専門チームとツールを当てます。これはまさに横にほどく実践。AIネイティブ化とは、このいつもお客様にやっている工程分解を、今度は自分たちの社内業務とAIに対してやるだけのことです。

声・成果 工程に分けたから、成果が出た。 休眠顧客の掘り起こしでは、ターゲット選定とシナリオ設計(処理の設計)を先に行い、そのうえで架電(実行)。結果、商談件数が従来の2倍に。「実行」だけ頑張るのではなく、その前の「設計」をほどいたことが効いています。 出典:スマートキャンプ プレスリリース「BALES導入支援例」

例2:法務室 ―― 工程に分け、各工程へ「AIと人」を配置(横)

法務室は契約相談を「型のあるもの(NDA・業務委託・利用規約)」と「型のないもの(M&A・新規事業スキーム)」に切り分け、前者はAI、後者は人に残しました。さらにNDAレビューを縦にほどき、入力=相手方契約書+取引の背景、処理=自社雛形・基準と照合、出力=判定+理由+相手への返し文句、と設計。「背景がないと正確に判定できない」と見抜き、AIにまず背景を確認させる設計にしているのが肝です。

例3:経営企画 ―― 「入力」を仕分けてAIの答えを具体化(縦)

経営企画は、市場規模のフェルミ推定・競合SWOT・公的統計のように公開情報が豊富でAIが強い入力と、自社の事業計画のように外に出してはいけない入力を最初に仕分けています。会議でも、入力=音声、処理=文字起こし・要約・論点抽出、出力=議事概要とネクストアクション、と縦にほどき、AIに「不足点・深掘りすべき箇所」まで抽出させて精度を上げています。

データ この「AIはまず資料作成・要約で効く」という実感は、BOXILの調査でも裏づけられています。営業のAI活用トップは「提案資料の作成」(40.0%)。つまり、まず“たたき台づくり”という一工程をほどいて任せるのが、職種を問わない王道です。 出典:BOXIL「営業のAI活用実態調査」(2026/2)

あなたの番(今・次・得られるもの)

レベル 今すること 次にすること 得られるもの
はじめて 面倒な業務を1つ思い浮かべる 「何を見て/何をして/何を作る」の3行で書く AIに頼める部分が見える
つかっている いつものAIチャット利用を1つ選ぶ 「入力(渡す材料)」を意識して足す 答えが急に具体的になる
仕組みにしたい よくやる業務の入力を「項目」にする 例:案件の背景・金額・期日を表にして渡す 毎回ゼロから説明せずに済む

つまずいたら - どっちからやればいい? ―― まず横(工程)で手順を書き出し、1工程だけを縦にほどく。 - 入力に何を渡せばいい? ―― あなたが判断に使っている材料。社内基準・過去の類似事例・案件の背景。ただし機密は安全な環境でのみ(付録B)。

この章の一歩:面倒な業務を1つ選び、工程に分け、1工程だけを「入力→処理→出力」の3行で書く。


第2章 考え方を渡す ―― プロンプトは“思考の設計図”

なぜ、これが効くのか(原理)

ほどいた工程の「処理」をAIに任せたい。ところが「いい感じに見て」では一般論しか返りません。その処理の“考え方”をまだ渡していないからです。

原則② プロンプトは、結論を命じる呪文ではない。判断の“考え方”を写した設計図である。

新人に教えるように、役割・手順・良い例・出力の形を渡したものがプロンプトです。渡せた分だけ、AIはあなたの代わりに考えられます。

スマキャンの実例

例1:法務室の「黄金パターン」 ―― 知識ソースを3点セットにする(社の発明)

法務室の最大の発明が、知識ソースの「黄金パターン」です。他のAIアプリにも応用できる、再現性のある型として公開されています。

知識ソース 役割 中身
契約書雛形 = Ground Truth 「あるべき姿」の基準・物差し 自社の標準条文
条文解説集 = The Why なぜこの条項なのか(意図・方針) 逐条の解説。基準を肉付け
交渉プレイブック = The How 相手の修正要望への「武器(返し文句)」 The Whyを尺度に差分をリスク判定

発信 3点セットの効果。 この3つを揃えると、AIは一般論ではなく「自社のスタンスに基づいた納得感のある回答」を返すようになりました。「正解(あるべき姿)/理由/対応の型」という構造は、法務に限らず、営業トークの型、コーポレート手続き案内、CS回答基準など、あらゆる“型のある業務”に転用できます。 出典:雨宮修note「ビジネス部門の『Autonomy』を実現するAI」(2026/1)

例2:カスタム指示で「AIの人格と振る舞い」を決める

知識ソースを読ませるだけでは半分。もう半分が、AIの人格と振る舞いを決めるカスタム指示(システムプロンプト)です。法務室は3点を重視しました。

  1. 役割定義 ―― 単なる「指摘者」ではなく、締結までスピーディに進める「ビジネス部門のパートナー」。
  2. 思考ステップの指定 ―― 「背景確認 → 自社雛形との差分確認 → プレイブックに基づく判定 → 代替案検討」の順序を明示。
  3. 構造化された出力 ―― 「OK/NG」だけでなく、カウンター案・推奨アクションを含む“武器”として出力。

例3:0→1もAIで。ただし最後は人が精査する

発信 解説集やプレイブックの“ドラフト”自体もAIで高速生成。 「忙しくて作る時間がない」を乗り越えるため、契約書雛形を読ませ、GeminiのDeep Researchで条文解説集や交渉プレイブックのドラフトを生成。ラフな指示でも各条の目的・解説・行動指針が出力され、その精度に驚いたといいます。AIが作ったドラフトを人が精査し自社のスタンスを加筆――この共同作業で、知識ソースの構築を数日で完了しました。 出典:雨宮修note(2026/1)。サンプルは中小企業庁公開のNDA雛形を題材にAI生成。

例4:経営企画の壁打ちも、考え方を渡している

会計処理(グロス/ネット)の相談では判断材料と観点を、プレスリリース文の推敲ではトーンと想定読者を渡す。これも“考え方を渡す”実践です。Claudeが「人が書いたものに近い」のは、渡した考え方を素直に反映するから、という現場の実感に基づきます。

あなたの番(今・次・得られるもの)

レベル 今すること 次にすること 得られるもの
はじめて 頼みに「役割」と「手順」を一言足す 「OK/要注意/NGで理由つき」と出力の形も指定 答えがブレなくなる
つかっている 過去の良い判断・良い資料を2〜3例つける 自社の決めごとも一緒に貼る 自分の判断に近づく
仕組みにしたい 頻出業務の判断手順を文章化する プレイブックや自分用Gemに保存して共有 属人化が解け、誰でも同じ水準に

つまずいたら - 手順をどう書く? ―― 新人に口頭で教えるつもりで「ここを見て/こうなら要注意/根拠はこれ」。 - 良い例に何を使う? ―― 過去の自分の良い仕事。社名・金額は伏せ、考え方の型だけ渡す。 - AIが基準を無視する ―― 基準を箇条書きで渡し、「反する場合は必ずNG」「根拠が無ければ要確認」と守らせ方まで指定。

この章の一歩:頻出業務を1つ選び、「役割+判断の手順+出力の形」を3〜5行で書いて渡す。


第3章 小さく始めて、人が確かめる ―― Human-in-the-Loop

なぜ、完璧を目指してはいけないのか(原理)

考え方を渡しても、AIは間違えます。「完璧にしてから導入」と構えると、いつまでも始められません。

原則③ AIは間違える前提で、“人が最後に確かめる”形にして、小さく始めて直していく。

第1章でほどいた工程のうち、まず1つをAIに任せ、その出力を人が確認する。人が輪の中にいる(Human-in-the-Loop)から、安心して任せられます。

スマキャンの実例

例1:押印プロセスの一元化 ―― 制度による「事後統制」(社の発明)

発信 「相談は任意」でも、最後は必ず人の目を通す。 法務室は「法務相談は原則任意、ただしビジネス部門でのセルフチェックは必須」へ方針転換しました。一見、任せすぎに見えます。しかし最終的な押印・電子署名は法務が一元化し、ビジネス部門長の決裁後に必ず法務の目を通すステップを制度として残しています。自律を認めつつ最後を人が守る「事後統制」。これが、速さと統制を同時に握る発明です。 出典:雨宮修note「AIを最大限に活用するための『コントロール』設計術」(2026/2)

例2:ハルシネーション前提で、型化しやすい領域から

発信 まずNotebookLMで“型化”から着手。 ハルシネーション(もっともらしい嘘)への懸念があったため、渡した資料の範囲で答えるNotebookLMで、型化が徹底しやすい領域から始めました。失敗してもこわくない領域から小さく始め、手応えを見て広げる――王道どおりの進め方です。 出典:雨宮修note(2026/2)

例3:根拠を添えて、人を「検証役」にする

確かさを上げるコツは、出力に必ず根拠を添えさせること。法務のレビューは「自社基準とのズレ・過去実績」を、経営企画の会議要約は「論点・ネクストアクション・不足点」を添える。すると人の仕事は「ゼロから判断」から「根拠を検証」に変わり、速く確実になります。

データ 「AIは間違える前提で人が確かめる」は、市場全体の実感とも一致します。BOXILの調査では、生成AIは導入率28.4%ながら成果創出フェーズへ移行中。使いこなして投資した組織ほど成果が大きい(月40時間超削減)。完璧を待つより、小さく始めて使い倒した者が勝つ、という構図です。 出典:BOXIL「生成AIの利用実態調査」(2026/1)

あなたの番(今・次・得られるもの)

レベル 今すること 次にすること 得られるもの
はじめて 失敗してもこわくない作業を1つ任せる 出力を必ず自分で確かめる癖をつける 安心して使い始められる
つかっている 出力に「根拠も書いて」と足す 根拠を検証して直す(丸呑みしない) 精度が上がり確認が速くなる
仕組みにしたい 「どこまでAI/どこから人」の線を決める エスカレ基準と最終チェックを制度化 チーム全体で安全に回る

この章の一歩:失敗してもこわくない業務を1つ選び、AIに任せ、出力を自分で検証する。


第4章 巨人の肩に乗る ―― 汎用ツール優先、自作は最後

なぜ、自分で作らないほうがいいのか(原理)

「専用システムを開発しないと」と思い込むと、何も始まりません。汎用ツールは日進月歩で賢くなっています。

原則④ まず汎用ツールを使い倒す。自作(開発)は、足りないと分かってから最後にやる。

スマキャンの実例

例1:NotebookLM と Gemini(カスタムGem)の使い分け ―― リスクで選ぶ

発信 精度重視はNotebookLM、提案力重視はカスタムGem。 当初はハルシネーション抑制のためNotebookLMで型化から着手。しかし「分析コメントの列挙」に止まらず「だからどうアクションすべきか(返信案・相談サマリー)」まで欲しいというニーズから、提案力の高いGeminiのカスタムGemへ。提案力の高いツールほど迷わせない工夫が要るため、知識ソースの作り方も工夫しました。 出典:雨宮修note(2026/2)

発信 “正解”を最優先ソースに据える発明。 コンプラ案内アプリでは、社内規程やポータル記事をそのまま読ませず、それらを元にしたFAQ(GeminiのCanvasで作った約100問のドラフトを人が精査した「正解」)を最優先ソースに指定。自由度を保ちつつ正確性を担保しました。 出典:雨宮修note(2026/2)

例2:「自作」は本当に必要な一点だけ

法務室は多くをカスタムGem(汎用ツールの設定)で実現する一方、決裁権限ナビゲーターだけはWebアプリとして自作しました。決裁事項や金額に応じ承認要否を自動判定する、ロジックが固く正確性が絶対の領域だからです。それ以外は汎用ツールの“設定”で足りた――これが「自作は最後」の好例です。

例3:全社汎用AIチャットという「土台」

発信 全社員が使える社内汎用AIチャットは、まさに「巨人の肩」。誰もが社内情報を含むデータを安全に使える共通基盤があるから、各部門が自分の業務に応用できます。お客様向けの BOXIL/BizHint の AI Chat も同じ発想の延長線上です。 出典:スマートキャンプ公式note「スマートキャンプの挑戦と…」(2025/2)

ツールの階段

社内汎用AIチャット/Gemini・ChatGPTのプロンプト工夫 → カスタムGem・GPTs・NotebookLM(自分用の型) → Google Drive 等 × Gemini の連携 → 必要なところだけ Webアプリ等を自作

レベル おすすめの段
はじめて 社内汎用AIチャット/Geminiのプロンプト工夫
つかっている NotebookLM や カスタムGem で“自分用の型”を作る
仕組みにしたい 知識ソース(FAQ・プレイブック)を整え、必要なら自作を検討

あなたの番(今・次・得られるもの)

レベル 今すること 次にすること 得られるもの
はじめて 会社が用意した汎用ツールを使う プロンプトに役割・手順を足す 開発不要で成果が出る
つかっている NotebookLMで手元資料を読ませる 精度が出たらカスタムGemへ 自分用アシスタントができる
仕組みにしたい 「正解」FAQ・プレイブックを整える 汎用で足りない一点だけ自作を相談 ムダな開発をせずに済む

この章の一歩:今の業務を、会社が用意した汎用ツールでやってみる。足りない点をメモ(将来の“自作の候補”)。


第5章 もっと先へ(応用編)―― 「自律(Autonomy)」と「統制(Control)」を両立する

仕組みを設計する立場の人向け。読み流しOK。

何が起きているのか

4原則を組み合わせると、「ビジネス部門が都度相談しなくても自分で一定品質まで判断できる」状態=Autonomy(自律)が作れます。法務室はこれで法務相談を1年で50%以上削減しました。

声・成果 自律は、満足度も上げた。 法務サーベイには「法務に聞かなくても自分で一定のクオリティまで判断できるようになった」「エスカレ時も論点が明確でスムーズになった」という声が寄せられました。担当者が自分のペースで案件をコントロールできること――これが自律の最大の成果です。 出典:雨宮修note(2026/1)

しかし自律を進めるほど「本当に統制できているのか」という問いが出ます。答えは放任でも制限でもなく、多層的なコントロールによるバランス。法務室の3つの設計を全社に一般化します。

設計1:適材適所 ―― AI化する領域を選ぶ

2軸で選びます。領域の特性(規制が極めて複雑で制裁リスクが甚大な領域は無理に自律化しない)と、業務の型化しやすさ(NDA・業務委託・利用規約のような型のある業務はAI、M&A・新規事業のような非定型・高リスクは人)。この仕分けは、法務・コーポレート・営業オペ・CSなど全部門に当てはまります。

設計2:技術 ―― ツールと知識ソースで精度を担保

NotebookLM(精度・型化)とカスタムGem(提案力)を使い分け、知識ソースは「人が精査した“正解”FAQ」を最優先に据え、提案力の高いツールには迷わせない下ごしらえをセットにする。

設計3:手続きとカルチャー ―― 最後の砦は「人」

発信 最高のリスクコントロールは、技術ではなくカルチャー。 押印一元化という制度(事後統制)に加え、「何か心配や違和感があればすぐ相談しよう」と思える関係性=信用スコアが要だといいます。法務・コーポレートを「止めるチェッカー」ではなく「進めるパートナー/イネーブラー」として認知してもらう。IPO準備の過程で多数の相談に実績を重ね、定期サーベイで信用スコアを可視化・蓄積したからこそ、「相談は任意」という思い切ったアクセルを踏めた、と。 出典:雨宮修note(2026/2)

Autonomy(自律)× Control(統制)の式 自律を最大化する = 適材適所で入り口を絞る × 技術で精度を担保する × 手続きとカルチャーで最後を守る

あなたの番(今・次・得られるもの)

レベル 今すること 次にすること 得られるもの
はじめて 自部門の業務を「型あり/型なし」で仕分ける 型ありの1つをAIセルフチェック化 AI化の入り口が見える
つかっている “正解”FAQやプレイブックを1本作る 最優先ソースに指定して精度を上げる 回答がブレず信頼できる
仕組みにしたい エスカレ基準と最終チェック工程を設計 サーベイで信用スコアを可視化 自律と統制を両立できる

まとめ(納得)

自律と統制はトレードオフではありません。入り口(適材適所)・中身(技術)・出口(手続きとカルチャー)の3層で支えれば、アクセルとブレーキを同時に効かせられる。これは中計②「人は人ならではの価値創出に集中」を、社内から実現する設計です。


終章 自分のペースで続ける ―― AI活用は、組織のナレッジマネジメントそのもの

4つの原則を、もう一度

  1. 仕事をほどく(入力→処理→出力)
  2. 考え方を渡す(プロンプトは思考の設計図)
  3. 小さく始めて、人が確かめる(Human-in-the-Loop)
  4. 巨人の肩に乗る(汎用ツール優先、自作は最後)

役割が変わるとは、どういうことか

発信 AI活用は、ナレッジマネジメントそのもの。 条文解説集・交渉プレイブック・正解FAQ・分析テンプレートを「AIに渡せる形」に整える作業は、AI活用の準備であると同時に、属人化していた判断軸の言語化=各部門のナレッジマネジメントです。AIという“アーキテクチャ”を設計し、統制とのバランスを最適化する過程で、自社の判断の軸が言語化されていく。その過程こそが組織を強くし、真の自律化への第一歩になる、と法務室は述べています。 出典:雨宮修note(2026/2)

これは、BALESがお客様にやってきたこと――業務を型化し、トークスクリプトやQ&Aナレッジを渡し、伴走して内製化・定着させる――を、今度は自分たち自身とAIに対して行うことに等しい。スマキャンは、もともと「型化と伴走のプロ」なのです。

急がなくていい。主役は、人

中計②の言葉どおり、AIで生産性を高め、人は人ならではの価値創出に集中する。最終的な判断・交渉・関係構築・責任は、これからも人に残ります。AIは、あなたがそこに集中できるよう面倒を引き受ける相棒です。

生きた教科書として、育て続ける

この教科書は完成品ではありません。各部門が試して分かったこと、うまくいった型、つまずいた点を書き足し、半期に一度見直す。定期サーベイで利用者(社内・お客様)の声を聞き、武器(AI)をアップデートし続けるサイクルこそ肝です。そして、社内実践で得た知見を、BOXIL調査・カンファレンス・お客様支援として外部へ循環させる。自社が最もAIを体現していることが、「生産性を売る会社」スマキャンの最大のブランドになります。

あなたの番(最後の一歩):自部門の「型のある業務」を1つ選び、第1章〜第3章を一周する。そして、分かったことをこの教科書に1行、書き足す。


付録A レベル別ロードマップ

はじめて

つかっている

仕組みにしたい


付録B 安全に使うために


付録C すぐ使えるテンプレート集

C-1 プロンプトの土台(役割+手順+出力の形)

あなたは、スマートキャンプの[部門]を支援する[役割]です。
次の順で考えてください:
1. [最初に見るべき点/背景の確認]
2. [自社の基準・型と照らす]
3. [判定する:OK / 要注意 / 要相談]
出力は次の形式で:
- 【判定】OK / 要注意 / 要相談
- 【理由】(根拠を必ず添える。根拠がなければ「要確認」と書く)
- 【推奨アクション】(次にやること/相手への返し方)

C-2 良い例を見せる(Few-shot)

以下は過去の良い対応の例です(社名・金額は伏せています)。この考え方の型に沿って回答してください。
- 例1:[状況] → [どう判断し、どう対応したか]
- 例2:[状況] → [どう判断し、どう対応したか]

C-3 「黄金パターン」知識ソースのひな型(部門問わず応用可)

## 対象業務:[例:NDAレビュー/決裁手続き案内/提案資料レビュー/IS架電スクリプト]

### Ground Truth(あるべき姿・基準)
- [自社の標準・物差し]

### The Why(なぜそうするのか)
- [基準の意図・会社方針]

### The How(対応の型・返し文句)
- 相手の要望A → [落としどころ案]
- 相手の要望B → [落としどころ案]

## 改訂ログ
- YYYY-MM-DD:[何を更新したか]

C-4 「正解FAQ」のひな型(コンプラ・手続き案内など)

Q:[よくある質問]
A(正解):[人が精査した確定回答]
出典:[社内規程名/ポータル記事URL]
※この回答は最優先ソース。これに反する推測は行わない。

C-5 人が確かめるためのチェックリスト

□ 出力に根拠が添えられているか
□ 根拠は事実か(推測でないか)
□ 機密・個人情報を不適切な場所に入れていないか
□ 「要相談」の基準を超えていないか
□ 最終確認・承認の工程を通したか

付録D 用語集


付録E AIガバナンスの最小セット

E-1 AI利用ルール(1枚)雛形

1. 目的:少人数で大きな成果を出す(Small Company, Big Business)ためにAIを使う。
2. 機密:機密・顧客・個人情報を学習され得るツールに入れない。会社指定の環境を使う。
3. 確認:AIの出力は鵜呑みにせず、根拠を確認し、人が最終判断する。
4. 適材適所:型のある業務はAI、非定型・高リスクは人(要相談)。
5. 相談:迷ったら相談する。シャドーAIは事前に確認する。
6. 育成:うまくいった型は共有し、半期に一度見直す。

E-2 簡易チェックリスト(運用前)

□ この業務は「型あり」か(AI化に向くか)
□ 入力に機密・個人情報を含まないか(含むなら安全な環境か)
□ 「正解」となる知識ソースを用意したか
□ 出力に根拠を出させているか
□ エスカレ(要相談)の基準を決めたか
□ 最終確認・承認の工程があるか
□ 利用者の声を聞く仕組み(サーベイ等)があるか

出典

本書は、以下のスマートキャンプ自身の公開発信を主な教材として、社外で公開されている「法務AIネイティブ化の教科書」の構成に当てはめ直したものです。数値・体制・事例は各記事の公開時点のものです。

経営・全社 - スマートキャンプ公式note『.▲.tent.』「代表取締役社長就任のご挨拶」(2026/6) ― 中期経営計画のAI3本柱、「人は人ならではの価値創出に集中」。https://note.com/smartcamp_tent/n/n12d4f562acde - スマートキャンプ公式note「スマートキャンプの挑戦と、その先に目指すもの」(2025/2) ― 全社汎用AIチャット、BOXIL/BizHintのAI Chat、BOXILのリード100倍。https://note.com/smartcamp_tent/n/n68cfff3f986c - スマートキャンプ会社概要・サービス情報(ミッション/ビジョン、BOXIL/BALES/BALES CLOUD/Biscuet/ADXL/BizHint、拠点・人員)。

法務室(雨宮修) - 「ビジネス部門の『Autonomy』を実現するAI」(2026/1) ― 黄金パターン、カスタム指示3点、4つのGem+ポータル、0→1のDeep Research、相談50%減。https://note.com/bzlion_legal/n/nd4b23615b268 - 「AIを最大限に活用するための『コントロール』設計術」(2026/2) ― 適材適所、NotebookLM↔Gemini、正解FAQ約100問、押印一元化、信用スコア。https://note.com/bzlion_legal/n/n3e5e57ba4cb9 - 添付サンプル:NDAレビューのカスタム指示例/条文解説集/交渉プレイブック(中小企業庁公開NDA雛形を題材にAI生成)。

経営企画/コーポレートグロース室(森友也) - 「【経営企画業務の劇的効率化】生成AIの実践に向けて」(2024/4) ― 市場調査・事業計画・会議要約、機密は外に出さない/最終は人。https://note.com/moritomoya_sc/n/n923efcfb1057

BOXIL調査(スマキャンが発信する市場データ) - 「生成AIの利用実態調査」(2026/1, n=1,365) ― 導入率28.4%、高度活用で月40時間超削減。 - 「営業のAI活用実態調査」(2026/2, n=389) ― 提案資料作成40.0%・営業メール39.4%、約7割が成果向上・約6割が質向上。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000306.000012765.html - 「経理のAI活用」調査(2026/2) ― 78人中59人が効率向上を実感。 - 「人的資本経営におけるITツール利用実態調査」(2025/11, n=634) ― 利用率76.4%、最大課題は「データ分散」(31.8%)。

BALES(お客様支援・成果) - BALESサービス紹介(BALESメソッド、トークスクリプト・Q&Aナレッジ、内製化伴走)。 - プレスリリース「BALES導入支援例」 ― 休眠掘り起こしで商談2倍ほか。150社以上の支援実績、BALES Enablement。

構成の元 - 「法務AIネイティブ化の教科書」https://legalaitextbook.pages.dev/

免責:本書はスマートキャンプ社内でのAI活用を促すための整理資料であり、個別の法的・会計的助言を構成するものではありません。実際の判断にあたっては社内の専門部門にご相談ください。引用は各社の発信公開時点のものです。